人は思い出に弱い。
インターネットオークションでは、昔なつかしいグッズにどんどん高値がついていく。
2度と手に入らないはずの思い出が今の自分をかすめていく時、手を伸ばさずには居られないのだろう。
人は、傷が見えないほど離れてしまった遠い過去をまた手に取って眺めたい欲求があるのだと思う。

イチゴは、私の幼い頃のワンピースの柄。パッチン留め。メモ帳の表紙。
思春期にあんなに嫌悪していた女の子っぽい事柄が、受け入れられる様になったのはいつだったのか。

今回、そんな思い出の記号に囲まれる空間を　真面目な絵画として、私が最も美しいと思える絵具の状態で、造ろうと思います。